めまいとは
めまいは周囲がグルグルと回るような「回転性めまい」と、フラフラとする動揺感・フワフワとして地に足がつかない浮遊感・血が引くような感じを生じる「動揺性めまい」に大別されます。
その他、貧血や起立性低血圧で起こる立ちくらみもめまいの一種ですね。
ところで皆さんは「スタンダール症候群」というのをご存知でしょうか?
1826年、文豪スタンダールが、フィレンツェで絵画を鑑賞中に倒れてしまったとの逸話から命名された病態です。
その後も、フィレンツェの大聖堂や教会で、壁画・「天井画」などを鑑賞している最中に急激なめまい、ひどい場合には失神発作に襲われる方が続出し、”メディチ家の呪い”と考えられたほどです。
感の良い方はお気づきかと思いますが、現在でも同様のことが起きています。
歯の治療中や美容院でのシャンプー後に症状が出たというのを聞いたことがあるかもしれません。
これらは、頚部の後屈(上を向く)を続けることによって、頚椎の中を走る椎骨動脈が圧迫を受けて、脳への血流が不十分となって発症するのです。
昨今とてもめまいを訴える方が多くなりました。
原因はパソコンです。
頚部の後屈姿勢が先程の話ほどではないにしても、姿勢継続の時間が極端に長いのです。
一時的な血流障害であれば症状も一時的です。
しかし、自律神経は頚部から出ていますので、神経まで負担が及ぶと慢性的なめまいへと発展してしまうのです。
「動揺性めまい」の多くはこれら脳の血流障害や自律神経の失調によってもたらされ、スタンダール症候群はその代表といえます。
悪い箇所が頚部周辺ですので、当院での適応症状となります。
他方で、「回転性めまい」の多くは「内耳」の障害に起因するため、まずは専門医を受診することをお勧めします。